私のパートナー


結局二人とも同じ豚骨ラーメンを頼んだ。


「一哉さんは…よく来るんですか?」


「ん、たまにね。ラーメン食いてぇーって思ったら来るかな。」


「ラーメン食べるんですね…」


「はぁ?俺だってラーメンくらい食うわ笑」


「いや…意外に庶民派だな…と…思って…」


「?普通だろ、居酒屋も行くしラーメンだって食べるよ。」


「あっ、春風!」


「…?なんで知ってんだ?」


「ふふふ)実は…私もあそこの常連なんですっ!」


「マジかよ…世間は狭いな。」


「美味しいですよね、あそこ。」


「ん。家みたいだよな。」


うんうん、と頷いて一哉さんを見る。

一哉さんと同じ感情を持っていることに
喜びを感じる。

同じものを気に入って
同じ気持ちになって

幸せになる


そんなことで私のテンションが上がるなんて…

恋する私の思考回路は単純。


「お待たせしましたーっ!」

そう言って目の前に美味しそうなラーメンが置かれる。


「美味しそ…」


「ん。早く食べな。」


「はい!いただきますっ!」


アッサリしてて、でも味に深みがあって…
何より、お腹が空いていた私にとっては
染み渡る美味しさ…。


「どう?」


「もぅ、超美味しいです!」


「そっか、そりゃ良かった。」


ズルズルと食べ進める私を見て
笑って目を細める一哉さん。


「また連れてきてやるよ。」


え??


「か、一哉さんが??」


「当たり前だろ。お前、この店の行き方知らないだろーし。」


まぁ、確かに言われてみれば
どんな道筋で来たのか覚えていない…

それに今、ここがどこだか分からない。


「また…一緒に来てくれるんですか?」


「ん。その代わりちゃんと働けよ?」


「も、もちろんです!」


そう言うと彼も美味しそうにラーメンをすすった。



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