私のパートナー


「かっ、一哉さん?!?」


驚きで声が裏返る。


「なんかあったのか?」


耳元でボソッと呟かれる。

「なっ…なんでもないです…」


「何でもなくないだろ?ちゃんと…言え。言わないと離さない。」


…そんなこと言われても…。

「一哉さん…あの…」

ここはマンションのエントランス。
いつ人が通ってもおかしくない。


「…なんか…一哉さんが…」


「俺が…?」


「最近…変です…」


「は?」

私の言葉を聞くと
一哉さんは私を離して正面を向かせる。


「…それ、どーゆーこと?」


「っ…分かりません…でも…なんか感じます…」


一哉さんは一緒困ったような顔をして
フッと笑った。


「か、一哉さん?」


「心配させんなよ。俺は別に普通だから。気にすんな?」


「…はい…」


なんとなくはぐらかされた気が…。


「おやすみ。」


ぽんっと手を頭の上に乗せて車の方へ戻っていく一哉さん。


…。

抱きしめられた熱をまだ身体が覚えてる。


思い出して熱くなる。


私は急いで部屋に戻った。

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