私のパートナー


「なんで言わなかった…?」


う…。
それは…。

「もっと早くに言ってればこんなヒドくはならなかったんだぞ?」


「ご、ごめんなさい…。」


「ガマンするな。ただでさえハードスケジュールなのに…お前にいなくなられると困る。」


そう言って一哉さんの指が私の足を撫でる。

「っ…ぃた…。」

「痛いよな、そりゃ…。クスリ塗って軽くあて布しとけば少しはマシになるから。」


優しくクスリを私の足に塗り伸ばしてくれる。
くすぐったくて、ドキドキして…

カフェの端の席で手当てしてもらってることに恥ずかしくて…。


「っん…」

「…この後の挨拶回りはやめにしよう。」


えっ??


「そ、それはダメ!先方も約束してもらってるのにっ…。」

「その足でどーやって歩くんだよ。」

「っ…ガマンするっ!大丈夫!一哉さんが手当てしてくれたから!」

「お前なぁ…ガマンすんなって言ってんだろ? これよりひどくなったらどーすんだよ。」


……。
でも…私の足のせいで仕事を潰すなんて出来ない…!!

「先方には俺から言っとくから…気にすんな。」


…だめ…

そんなの…出来ない…。
< 20 / 105 >

この作品をシェア

pagetop