私のパートナー

「コッチの方がいいのか。」

そう言って私に近づき…
勢いよく私をお姫様抱っこしたままエレベーターを降りる。


「ちょっと!お、お、降ろしてっ!」

「じっとしてろ。落とすぞ。」

いや…
いくら下が絨毯だといえ…落とされたら痛い。


でも…この状況は恥ずかしすぎる…。


部屋まで向かう途中にボディーガードの男性たちに驚いた顔で見られるし…


私は恥ずかしくて
一哉さんのジャケットに顔を隠す。


フワッと一哉さんの香りが鼻をくすぐる。
ダメだ…余計恥ずかしくなる…。


「羽鳥っ!今すぐぬるま湯と靴づれに効くクスリ持ってこい。こいつの足手当てするから。」


羽鳥と呼ばれた男性が勢いよく返事をして
どこかに走っていく。


うぅ…早く降ろしてぇ…


社長室に入ってソファーに降ろされる。

「ちょっと待ってろ。」


そーいってジャケットを脱いで腕まくりをする一哉さん。


筋肉質の腕が見える。


さっき思ったけど…
意外に力あるんだよね…。



一哉さんの指が傷口に触れる。


「いたっ…ぃ。」

「…。普段…こーゆー靴はかねぇのか?」

「…ぅん…。」

今までオシャレにはあまり興味なかったからね…。

「…無理させて…悪かったな…。」

「っ!!無理してないっ!一哉さんが用意してくれる服とか靴はいつも可愛くて…ぅ、嬉しいのっ!」

「嬉しくても…ケガしたら意味ねぇだろ。」


ぅ…。


「そ、それは私が履き慣れてないからで…」

「だーかーら!そーやって無意識に無理してんだろ。」


だって…
一哉さんの横にいるときは一哉さんの秘書としてふさわしい女でいなくちゃ…



「…。お前の好みが分かんない。……靴は低いほうがいいのか?」


「わ、私の好みなんか…いいのに…。いっつも選んでくれるスーツもすごくオシャレで好き!…靴は…なるべく…低い方が…。」



「ん。今度からは低めのでコーディネートする。」


「…か、一哉さんが本当に選んでくれてるの?」


「当たり前だろ、俺の横に置く女の服ぐらい選べなくてどーする。」



俺の女って言われたみたいでドキドキする。


「別にお前のためじゃない。俺が恥かかないよーにだ。」

…あーそーですか!
こーゆー人だったよ…
別に期待してませんよーだ!!

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