私のパートナー
黒い失敗


あの日から
私は一哉さんはいつになく私を犬扱いするし…


なにより…




私の心臓がおかしい。






朝の挨拶で笑いかけてもらうだけでドキッとするし…

手とか触れると息が詰まりそうになる。



まさか…ね?


私が彼にドキドキしてる?



あり得ない。

あの人は最低最悪のキザな男よ!
騙されるなってば!



「おい、アホ犬っ!」


「はっ!?」


「何度呼べば気付くんだよっ!耳悪いのか?あ?」


「ご、ごめんなさいっ!」


「この資料をパソコンに入力して注文しとけ。間違えんなよ。」


「えっ、入力は事務にいつもまわしてますよね?」


「…その事務に任せられない大事な注文だから秘書のお前に任せてんだろーが!…なんだ?お前が悪いのは頭なのか?」


「あー、はいはい。ごめんなさい!察しが悪くてっ!」


「分かったらさっさとやれ。」


はいはい。
やりますよーだ。

それにしても…

秘書に任せる入力って何?



封筒に入ってる書類に目を通すと

そこには3日後の新薬発表会でお客様たちに配る超高級スイーツの注文票。



これか…。


前になんで新薬発表会でスイーツなんか配るのかきーたことあったけ。


確か…
お客様への気配り…

堅い空気を和ませるものは甘い物に限る
とかなんとか言ってたよーな…



それにしても
膨大な数を頼むのね…。
こんな数、3日後に出来上がるのかな?


パソコンに向かって
キーボードを叩く。

季節のフルーツのマカロン…
1,500セット…


これでよしっと。


迷いなく注文クリックして次の仕事に取り掛かる。



発表会までにお客様の顔と名前を一致させなきゃ…











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