私のパートナー


疑問が残る。

でもこのパソコンを開くにはパスワードが必要だし…。




やっぱりどう考えても私のミス…。




あーーもぉ!
入力ミスなんて一度もなかったのに…。


よりによってこんな大切な注文を…。




一哉さんはあれから3時間経っても帰ってこない。


もう時刻は午後9時を回っていた。



一哉さんがいない間…
残りの仕事のほかに掃除やら書類をまとめたり
とにかく動いている私。


仕事をしていないと失敗したことをずっと気にしてしまう…。



そんな時、社長のドアが開く音がした。


「か、一哉さんおかえり…えっ??」


一哉さんかと思ってとっさに挨拶したのに…
目の前には1人の女性が立っている。



その女性は私を見て目を丸くしている。


「あの…??どちら様でしょうか…?」


「…いえっ…亀沢社長はおられないようね…?」


「あっ…はい。…あの…??」


「失礼しました。」



そう一言残して女性は部屋を出て行く。


結局彼女が誰で要件が何か聞きそびれちゃった…。




ガチャっ)

再びドアが開く音がすると
そこには一哉さんの姿。


「おっ、おかえりなさい!」


私の言葉を聞くと一瞬驚いた顔をした。
が…。


次の瞬間にはその顔は何か怒ったような表情…。



ヤバい…

やっぱり私の顔みたらミスのこと思い出して…


「おい。」

ビクッ…

思ったより低い声が私の身体を震わせる。


「は、はい…」


「何してんだよ。」

「えっ…?」

「だから!こんな時間までなんでここにいるんだよ。」

「かっ、一哉さんの帰りを待とうかと…」

「アホか!俺がいつ待ってろなんて言った?こんな遅くまで残って何してんだよ!…暗くなってるんだからあぶねぇだろーが!!」


「えっ……」

私が予想していないセリフにドキりとする。


「ほら。帰るぞ。」

「あっ、あの??」

「こんな夜道にアホを1人で返せるかっつーの。」

「一哉さん…??」

「さっさとこい!」


腕を掴まれて歩きだす一哉さん。

私は急いで荷物を掴んで必死に彼について行く。


……。

怒って…るよね…。


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