私のパートナー


一哉さん?

考えるように難しい顔をしている。


「…なんで2時なんだ…。」

「えっ?」

「あっ、いや……。ってか、さっき言ってた来客はなんで社長室にきたんだろーな。」

「…確かに…。」


「それに、なんで誰も社長室に入っていくのを止めなかったんだ?…SPとかいただろ…。」

「…そーいわれれば…。」

「…まさか…な…?」

「えっ??」


一哉さんの表情が曇る。



「おい。アホ犬。」


「はっ??!あ、アホ犬じゃないです!」

「うるさい。じゃあバカ犬。お前のこと…。」


「っ…??!」


「今回のことはお前を責めてないから。」

「か、一哉さん?」

「いや…なんでもない……。」


なんでもないわけない。



何を言いかけたのか分からないけど
真っ直ぐ前を見ている彼を見て
なんとなく安心する。


そんな風に見ていたらあっという間にマンションに着いてしまった。


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