私のパートナー
次の日…。
新薬発表会当日。
いつものように出勤すると社長室が妙に騒がしい。
「おはようございま…す…??」
中に入るとそこには
昨日 一哉さんを訪ねて来た女性と一哉さんが何やら口論を繰り広げている。
「だって、それはあなたが悪いわっ!私を捨てるからっ!」
「1年限りって前から言ったはずだ。」
「ひどいっ!私を信頼してたんじゃなかったの?!」
その女性は涙ながらに訴える。
それとは反対に素っ気なく答える一哉さん。
…何のことを話してるのかサッパリ分からない…。
二人とも私の存在には気づいていないよう…。
「大体、別に君は僕のものじゃない。」
「っ!!何よっ!散々信頼してるとか言ってたクセに!」
「…君は誤解している。あくまで秘書として、だ。大体そんな理由で会社に不利益をもたらす奴なんか論外だ。」
なにやら修羅場?
僕口調で淡々と話す一哉さんの目は怒りに満ちている…。
こんな一哉さん…初めてかも。
それに…会社に不利益って何のこと?
私はいてもたってもいられなくなって
声をかけた。
「あのぉ、おはようございます…」
?!!
2人は驚いたように一斉に私をみる。
「あっ、あぁ、はよ。」
女性は私の全身をジロジロと上から下まで見ると
私の目をキッと睨みつける。
…っ、こわっ…。
「あんた!あんたが今の秘書なのね!?」
「はっ、はい…。」
「ちょっと!亀沢社長を返してよ。」
「えっ??」
全く話が読み込めないんですけど…。
「おい、そいつは関係ないだろ。高田…いい加減にしろっ!」
一哉さんの声が響く。
そんなのもお構いなしに女性は私に訴えだす。
「あんた、どーやってこの人に取り入ったのよ。どーせ色目つかったんでしょ??」
「と、取り入ってなんて…」
「おいっ!高田!!」
一哉さんの声がより一層怖くなる。
その声にさすがに 高田と呼ばれた女性は口を閉じた。
「あの……何が…あったんですか?」
私の問いかけに一哉さんは一瞬苦しそうに顔を歪めて口を開いた。