私のパートナー


「はい。」

コトっと一哉さんの前にコーヒーを置く。


「ん。」


ありがとうとかは言わないけど
毎日美味しそうにコーヒーをすすってくれる。


それさえ嬉しい。



私もイスに座ってパソコンを開く。


これも日課。



「なぁ。」


「はい?」


「………。」


ん??

一哉さんの口から次の言葉が出てこない。




「一哉さん??」


「……お前…社員旅行とか興味あんの?」


「はっ??」


何を急に…。


そりゃ、秘書になるとは思ってなかったから…


普通にOLとして
仕事仲間とお昼いったり…社員旅行とかも…
憧れてはいた。



「…社員旅行は…まぁ、興味あるけど…それが何かあるの?」


「……旅行行くか?」



「えっ。」


「なんだよ。」


「だ、誰と?」


「誰とって、そりゃ俺だろ。」


「あー…って!!えっ?一哉さんと行くの?」


「他にお前と同じ所で働いてるやついないだろ。」


そ、そーだけれども!!
そーゆー問題じゃない!


「だ、だって!一哉さんは社員じゃなくて社長だし!」


「あ?文句あんなら行かねーぞ。」


う…

好きな人と…旅行…

こんなチャンス滅多にないかも…。


しかも…1年限りだから…。


「い、行く!行きます!!行かせてください!!」



「最初からそーいっとけばいいんだよ。」


一哉さんが満足そうに笑う。

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