私のパートナー
ロビーは賑やかで外に出れない観光客達が何やらクラフト教室をしている。
その中に菜央の姿がないか探してみるが姿は見当たらない。
…。
おかしいな。
もう部屋にはいないはずなんだけどな。
そんな時、1人のホテルマンが慌てた様子で俺に近づく。
「か、亀沢様!お帰りでしたか!!」
「どうかしましたか?」
「お、お連れ様が…高熱で倒れられまして…」
菜央が?
倒れた??
すぐに案内されたのはロビーの隅に置いてあるソファだった。
周りには女性従業員が何人か集まり
菜央の周りには仕切りが立てられている。
「…いつ倒れたんですか。」
「つい、先ほどです…先ほどまで我々と一緒にクラフト教室をやられていた最中でして…。」
「…ご迷惑をおかけしました…。あの…今日は帰れないので延泊したいんですけど…。」
「そ、それが…亀沢様…大変申し訳ないのですが…本日…シングルが一部屋しか空きがないのです…。」
申し訳なさそうに答えるホテルマン。
それでも未だに目を覚まさない菜央を、このままにしとくわけにもいかない。
「それでいいから。そこにこいつを運ぶんで…今日だけ泊めてもらえます?」
「は、はい!ただいまお荷物をお運びします!」
俺は迷うことなく菜央を抱き上げる。
熱を帯びた菜央の顔は赤く
辛そうに呼吸をしている。
そんな菜央をしっかりと抱きながら
ホテルの部屋に駆け込んだ。