私のパートナー


「何、菜月ちゃんも誰かに恋してるの?」

桃香さんが尋ねる。


「ぁ…私…彼氏がいて…。」


「なぁんだ!それなら良いじゃない!」


「…遠距離なんですよね…それに…彼は働いてるし。」


「「え??」」


思わず桃香さんとハモる。


「働いてるって…歳上ってこと?」


「はい…高校時代の先生なんです…。」


「年の差???!」

桃香さんがいつになく食い気味に質問してる。

「はい…7つ差です…。」


「7??!すごいわね…身分差も超えた…愛ね。それは。」


身分差 の文字が自分に突き刺さる。


「どうやって…告白したの?」

気づいたら私も菜月ちゃんに質問していた。


「…ぁ…先生から言われて…そのまま…。」


照れて顔を赤めてる彼女はとても可愛らしい。


「なかなか会えないので…好きな人が側にいるってすごく羨ましいです!」


ニコッと微笑んで私を見つめる彼女。


社長に恋する秘書。

先生に恋する生徒。

どこか似ているような、違うような。


でも今の私には十分すぎるくらいに希望を持てる話。

7歳差の身分を超えた愛があるなら
たった1歳差の身分を超えた愛だって存在するはず。


この恋が叶う確率はゼロだと思ってたけど
そうでもない…のかな。

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