スノードロップ
「失礼しまーす。」

ドアを開けると、
保健の先生の夏花先生じゃ
なく、私の苦手な海澤がいた。

「…野村か。
お前授業出ろよ。」

海澤はひじを怪我していて、
私をチラッと見て
すぐに視線をひじに向けた。

「家庭科はでなくても
いいって思ってるんで。」


箱に入ってたシップを取り、
海澤と距離を置いて座った。

「…お前なぁー。」

海澤は自分の手当てが終わり、
こちらを見てため息を吐くと
私に近寄ってきた。

「…お前シップもったいねぇだろ。
ほら、貸して。」

さっきからうまくシップが
貼れず困っていた。

多分それを見て言ってきたのだろう。
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