彼はアイドル
―高校一年生の体育祭のときを思い出した。



「ってか、かったるいよね―!リレー何て。」


優月とはクラスは違ったけど、中学校からの友達だったため、一緒に行動することが多かった



「そうそ適当にやっとけばいいよねwww」


そう言って一つ欠伸をする。


この学校はあまりにも行事に燃えない学校で、皆適当にやってた。



バトンリレーだから、もう私達の出番は終わっていた。


もちろん結果は、ベベ。



何故か分からないけれど、そのとき顔をあげたんだ。



ふと視線に入ったのは、男子達がダラダラやるなか一人で全力で走ってる男の子。


というか女の子にも見えた。



しばらく私はその男の子を見つめて、ようやく気付いた。



「あれって学園のアイドルとか言われてる、雅?」


「ん?あれ?そうそ!可愛いよねー。でも私のタイプじゃない(笑)」



ドキドキ・・・


心臓が早くなって熱くなった。


そうだ。そのときから雅を好きだったんだ。私。


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