彼はアイドル
一生懸命な姿に惹かれたんだよな――・・・


「ちょっと、未羽~!聞いてる?」

私の顔を覗きながら、ふてくれた顔で私を見る。


「あっごめん。ごめん。」


手を合わせて、苦笑いをすると『も~、ちゃんと聞いてよね?』とまた話し始めた。


だけど、心の中では雅でいっぱいで、優月の話は右から左に流れていくばかりだった。


「じゃあね~!未羽。また月曜日!」

「うんっ・・・」


私の家に着くと、優月は路地を走っていった。その姿が見えるまで、その場で立ちすくんでいた。


「いつものことだしねっ・・・」


と心の中で前向きになって、一つ伸びをしたあと、家へと入った。


「あっお帰りなさい!」

ローファーを脱ぐとエプロンを着た、お母さんが出てきた。


『ただいま!』といつものように明るく返事をしたあと、自分の部屋へと直行した。


「やっぱり寂しいよ・・・」

一言呟いて、ベットへと転がった。




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