彼はアイドル
―ピロリロリン―


「ん゛―。」

はっと起きて、携帯を見ると9時を指している。


「ヤバっ・・・あのまま寝てたんだ・・・」


メールの受信ボックスを見ると、雅からのメールが来ていた。

ごくんっと唾を飲み込んで、メールを開いた。


『今から、あの公園に来れる?雅より。』


あの公園とは、よく夜に公園で話す場所だ。と言っても、偶にだけど。


こういうふうに、夜話せるのは唯一の彼女の特権だ。


「あっ・・・ご飯だ。」


勉強机の上に、ラップがかかった冷めたオムライスが置いてあった。


「ここまで、爆睡してたんだ・・・私。」

お母さんの優しさが、身に染みた。


軽くメイクをして、ラフな格好に着替えたあと、公園へと向かった。



< 8 / 17 >

この作品をシェア

pagetop