モヒカンエイリアン
洗脳
塾に着いた。
参考書を手に、教室に入る。
1番、窓側の真ん中の席につく。
授業が始まるまでは、携帯でゲーム。
ほんっと、携帯って便利だなと思う。手持ち無沙汰じゃないっていうか、メールやLINEの音は、ぼくも必要とされているんだ音。
決して独りじゃないんだ音。
声にしなくても言葉を交わす、こころを通わせる友達がぼくにはたくさん___。
「お前、友達おらんやろ?」
筆箱が開いた。
「ぼくは浅い付き合いをしようとは思わない。本当に助け合うべき時に支え合える友達が1人だけ居れば、それでいい」
「それは要約すると、おらん言うことやろ?」
「…」
無言で筆箱を閉めた。
だからなんだ。
それよりなんだ。
スーパー爆発したぞ?
あの万引きGメンは仕方ないとして、スーパーそのものを爆破することはないんじゃないか?と問い質すと、目の前のエイリアンは、トサカのモヒカンを整えながら言った。
「連帯責任や」
教室でも、爆破の話題で持ちきりだ。
まさか、この筆箱の中のエイリアンが仕出かしただなんて。
これは絶対に秘密にしなくては。
絶対に…。