モヒカンエイリアン
漆黒


ぼくは工藤まさる。両親は旅行で居ない。ひょんなことから、ぼくは一匹のエイリアンと同居することになった。モヒカン頭のモヒリアン。かなり口も悪いし、手も悪い。怒らすと地球が消滅する。でもモヒリアンから地球を守る意味などあるのだろうか。いっそのこと地球なんてなくなれば…。


タイトルはそうだな…。


[地球消滅日記]にしよう。


ネットにブログを立ち上げた時、チャイムが鳴った。


両親が旅行から帰ってきたらしい。


「ご挨拶したらええか?」


「やめて。おとなしくしてて。じゃないと追い出すから」


そう言い聞かせて、階段を下りた。


でもおかしな話だ。ここを追い出したところで、地球がなくなるかもしれないのに。追い出されるのは、ぼくのほう。


両親はいたってノーマルな両親だ。


お母さんは、他人の不幸を餌に生きているし、お父さんは…お父さんだ。すぐに勉強の具合を聞かれるから、お土産だけ受け取ると、二階に逃げた。


予想通り、モヒがいない…。


急いで部屋から飛び出した時。


「た、助けてくれ‼痛い痛い痛い‼」


金切り声が上がる。


「半蔵‼それ食べ物じゃないよ」


「痛痛痛‼余計噛んどるやないか‼」


< 25 / 101 >

この作品をシェア

pagetop