モヒカンエイリアン
「りんご、なんや熱いな?」
「そうだね…」
ぼくはパソコンをそっと閉じた。
窓から外を眺める。
「ホンマよう降るな。化粧の濃い演歌のおばはんが、降れ降れ歌とんのか?せやけどなんで演歌歌手は、歌い終わりにあらぬ方向見て訴えかけるんや?お、帯が苦し~‼言うてんのやろか?紅白も若いのばっか、アイドルで床とか抜けたら笑うんやけどな」
「確かに数が多いけど…」
「なんや乗り気ちゃうな?更新滞った間に、夏休み終わってもうたからか?それはパイナップル星人に文句言わなあかんわ。下らんデビュー曲作りよってからに。来週、お披露目会があるらしいで」
拳をマイクに見たてて歌い出す、もっひ。
酢豚には入れるな♪とか変な曲を歌っている。
確かに学校が始まったからってのもある。
時は平等なのか不平等なのか。
町を立て直そうという人にも、学校へ行くぼくにも、飢えで苦しむ子供のにも、時は同じ一秒なのだ。
「いってきます」
その時がきたら、僕は学校に行かなくてはならない。
相棒を胸に忍ばせて。
雨は、降り続けている。