モヒカンエイリアン


まずい‼


僕は先生の手から、怒りに震えているもっひーを奪い取った。


いや、奪い返したんだ。


ぼくの、手のひらに。


「もう大丈夫だから」


生まれたばかりのひな鳥をあやすように、両の手のひらで包み込むが___。


雷が教室に落ちた。


なにも聞こえない。


悲鳴と、雷鳴と、喧騒とで、ぼくが必死にもっひーに呼びかける声もかきけされ、雷光で目がくらむほど。


切り刻まれた教室に1人、取り残されたぼくは、もっひーの心に呼びかける。


「もう大丈夫‼大丈夫だから目をさまして‼このままじゃ学校がなくなっちゃうよ‼そりゃ確かに学校なんて消えてなくなればいいって思ったこともあるけど、なにもこんな雷で潰さなくたって…。怒るのもムリないけど、確かにちょっと気色悪いところはあるのも事実なわけで、それを認めるのも大人かと___」


「なんで認めなあかんねん‼」


むくりと起き上がった、ちょっと気色悪いエイリアン。


けれどまだ、雷は鳴り続けている。


「いい加減、うるさいよ」


「わしちゃうねん」


「またまた。早く鳴りやませてよ」


「せやから、わしちゃうねん‼」


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