モヒカンエイリアン


その隙にぼくは学校を飛び出した。


天から突き刺さる雷。


もっひーは自ら囮になった。


ぼくを逃がすため、ではない。そうなんだ。その逆なんだ。


だから走った。


「走れメロスみたいに走るんや‼あれせやけど、上からやな。ちょ、頼むで全速力で走ってやメロスはん、でもええのにな。モノの頼み方しらんな、最近のやつは」


なんて、耳打ちを思い出す。


家に帰って急いで部屋を家捜しする。


時期的にもう使わないがストックがどこかに…あった‼


濡れた手でシールを剥がし…。


雷が近くで光る。


近づいてきてる‼


やばい。早くしないと…。


「まさるっ、わしもう限界や…」


体から焦げ臭い煙を発して、もっひが二階の窓から。


続いて。


「これでジ・エンドさ。そして地球はぼくがHold on meってわけ」


不適に笑うアフロリアンが、右手をかざす。


「なんやそれ、トラボルタのマネか?アースウインドファイヤーより、阿波踊りのがお似合いじゃ‼ワカメダンス踊っとけ‼」


「アースウインドサンダー‼」


アフロリアンが放つ雷を間一髪かわし、机から飛び降りたもっひー。


もっひーは着地した。


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