モヒカンエイリアン
一時間前。
ほんの一時間前。
「それはぼくのmy cherryじゃないか‼」
「うっさい‼チェリーボーイみたいな顔しとるくせに。早い者勝ちじゃ‼」
「todayというtodayは、本当に許さない‼」
「なんややんのか。あ、半蔵きた‼逃げるで‼手と手を取り合って逃避行や‼」
「lose happy park(失楽園)」
駆け出した二匹は、ものの数歩で捉えられました。
いつもの光景だ。
それがわずか一時間で。
この町が亡くなった。
それはあまりに突然で、今年の夏は残暑がなくて、秋の訪れが早いな、なんて柄にもなく、眩しいくらいに青い空を見上げていた。
なにかが降ってきた。
明らかに、降ってきちゃいけない類いのもの。
流れ星?なんて一瞬、思ったけど、そんな綺麗なものじゃなく、もっと、禍々しいものが。
それなりの早さで、窓から見える県庁にぶつかった。
地鳴りがして、家が大きく揺れる。
それでもまだ、ぼくは声を上げることもできずに見ていたんだ。
次から次へと降ってくる、隕石をただ見上げていた。
町が破壊されるのを。