モヒカンエイリアン
えっ…⁉
あっふー⁇
ぼくは、バタリと倒れて動かなくなったアフロリアンを、ぼんやりと見ていた。
がたがたと揺れ出した自分の部屋で。
「われ…なんすんねん‼」
あっふーを抱きかかえる、もっひー。
「ばばぁ‼なにしてくれてんねん‼」
もっひーが立ち上がると、部屋のモノというモノが宙に浮き出した。
やばい。
怒ってる。
怒ったもっひーは手がつけられない‼
「なんや、まだそんなもんか。随分と毒気を抜かれたもんやな。まだ足りやへんのか、そうか。ほしたら、しゃーないな」
モヒカン頭のおかんの人差し指がくるくる回る。
そして。
「おっ、やめろや‼たいがいにせえ‼」
人差し指が。
ぼくの胸を差したんだ。
スーッと光が、胸を貫いた。
痛みはない。少し体が熱くなったけど、痛みはないんだ。
それなのに。
ぼくはどうして床に倒れたのだろう。
「クソババァー‼‼」
もっひーの叫び声が遠くに聞こえる。
遠くに遠くに聞こえる。
それと同時に。
町が。
壊れていく。