モヒカンエイリアン
「せやせや、それでこそモヒリアンや。血も涙もない、冷血戦士なんや。壊してしまえ。町も地球も、このまま壊してしまえ‼」
「…っひー」
ぼくは、もっひに手を伸ばした。
屋根は吹き飛び、空に向かって浮かび上がっている、もっひー。
町が、ぼくの知っている町が、どんどん破壊されていく。
「もっひー…」
ぼくなら大丈夫。
大丈夫だから。
怒りで我を失ったもっひーに、ぼくの声は届かない。
もう、ダメかもしれない。
それなら。
それなら…。
「…ありがとう」
もっひー。
ありがとう。
ぼくの心の声は届いたかな?
町がなくなる前に。
地球が滅びる前に。
さようなら。
もっひー。
ぼくは、目を閉じた。
ゆっくりと。