モヒカンエイリアン
赤玉(トマト)やカマンベールチーズなんかの変わり種もいいけど、1本90円のコンビニおでんも好きなんだ。
今日はセールで70円だし。
私は店員さんに言った。
「いつもの」
大学生かな?高校生かな?まだニキビが残るあどけなさを残したアルバイトくんが、私を見やる。
どうした少年よ。
ま、まさか運命の出会いだなんて言うのではあるまい⁈え、やだ、うそ。なんで見てんの?おでん挟んで告白とか渋いんですけどー‼
「あの…いつものって?」
あゝ、そうだった。
私ここ来たの二回目で、彼を試したんだった。
私が前回、どの種を頼んだか覚えてるか?
だって、とても大切なことじゃない。
そうやって、他人が他人に興味と関心を持てば、争い事はなくなるはず。要は思いやりなのよ。
それと___。
「玉子とはんぺん。あと大根、ううん、その右のほうが味が染みてそう。スジとこんにゃく‼あ、勝手にテンション上がってごめんなさい。こんにゃくは二つ」
おでんは最強だということ。
私はお会計を済ませて、コンビニを出た。10月に入って急速に冷え込み、首をすぼめて公園にやってきた。
ブランコに座る。
私はおでんのツユを一口、飲んだ。
あったかい。
あったかい。
たとえ地球が滅んでいても。