モヒカンエイリアン
おかんが帰っていく。
少しだけ、寂しそうに。
「もっひー、大丈夫⁈」
「まさる、ワシは大丈夫やけどな、えらいことなったな…」
窓の外から見えるのは、この世の絶望。
「一つだけ、一つだけ元通りにする手があるんや。それ、モムラサキやろ?それで過去に戻ったらええ。それで万事解決や」
「でもまた、同じことの繰り返しじゃ?」
「…」
「もっひー、なに考えてんの?」
まさるクンの顔が歪む。
「もっひー‼」
「まさるの記憶から、ワシのことが消える。そりゃもう、綺麗さっぱりな」
「嫌だよ、そんなの」
「それでええんや。それで地球も元通りになるさかい。それでええんや」
「地球なんかどうだっていい‼このままでいいし‼」
「そんな、心にも思ってないこと言うたらあかん」
「じゃ、心を読めばいいじゃないか‼ボクがなにを1番に望んでるか、心を読めばいい‼」
「まさる…」
もっひーは、悲しそうな顔をしたあと、優しく微笑んだ。
「友達の心は読まへんのや」