流星×零姫―黒龍の寵愛姫―
「そうだよ。」
やっぱり、樹は雷鳥なのね・・・そしたらきっと、あの噂は嘘だわ。
「噂は噂なのね。」
私だって、いろいろな噂を言われてきた。
色々な男と寝た。なんて言われてきた、それを言われるのは不愉快で堪らなかった。
「もしかして、雷鳥はヤバいことをやる。
クスリも強姦もやるっていう噂のことですか?」
白石樹は変わらず笑っていた。
けれど、その表情は苦しそうで悲しそうだった。
噂のこと知ってたんだ、でもそんな噂気にしなくていいのに。
「そんなことないわよね。
だって、ここの皆は温かいでしょ?」
どことなく、黒龍に似ている。
他の皆は幹部や総長を大事にしているところや、仲間を大事にしているところが似ている。
「そのなの、ただの噂。
大丈夫よ、気にすることなんてないわ。」
私は、そう言って白石樹の顔色を伺った。