流星×零姫―黒龍の寵愛姫―






「そうだよ。」



やっぱり、樹は雷鳥なのね・・・そしたらきっと、あの噂は嘘だわ。



「噂は噂なのね。」




私だって、いろいろな噂を言われてきた。


色々な男と寝た。なんて言われてきた、それを言われるのは不愉快で堪らなかった。




「もしかして、雷鳥はヤバいことをやる。

クスリも強姦もやるっていう噂のことですか?」




白石樹は変わらず笑っていた。


けれど、その表情は苦しそうで悲しそうだった。


噂のこと知ってたんだ、でもそんな噂気にしなくていいのに。




「そんなことないわよね。

だって、ここの皆は温かいでしょ?」




どことなく、黒龍に似ている。


他の皆は幹部や総長を大事にしているところや、仲間を大事にしているところが似ている。




「そのなの、ただの噂。

大丈夫よ、気にすることなんてないわ。」



私は、そう言って白石樹の顔色を伺った。





< 172 / 298 >

この作品をシェア

pagetop