流星×零姫―黒龍の寵愛姫―
ドンッ
下のほうから何かが、壊れた音がした。
他にも聞きなれたバイクのクラッシュ音が聞こえてきた。
「黒龍・・・そろそろ来ましたね。」
白石樹の口調がまた変わった。
「黒龍に手を出さないで。」
「もちろん、今はですけどね。」
私が言うと白石樹里がそう言って、私の手を引いた。
「黒龍のところに行きますよ。」
「白石樹、」
白石樹は最初に私に見せた、穏やかな表情じゃなかった。
なんとなく、怖かった。
やっと私は思い出した、ここの世界は危険なんだって。