流星×零姫―黒龍の寵愛姫―








当麻が立ち上がって、袋を手に持った。





「どこ行くんだよ。」




栄がそう聞いた。


そんなことも聞かなくて、わかる。




「紗綾のところ。」




当麻の表情は、怒っている表情じゃなかった。


悲しそうで切なそうな表情。



そう言って、バイクのキーを握って外に向かった。



当麻が居なくなった、二階に沈黙が流れる。





「それ、程度の女だったんだろう。」




考喜がそんな中、そう言った。





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