流星×零姫―黒龍の寵愛姫―







でも、紗綾に会えない方が苦しんだよ。


なんで、俺たちのもとから去ったんだよ。


教えてくれよ、紗綾。




ブンッ



パイプが再び、風を切る音が聞こえた。


もう無理だ。


俺は、目を瞑った。



・・・・・・あれ?痛みがない。


もう、衝撃が来てもおかしくないはずなのに。




「お前・・・!!」




目を開けてみたら、痛みを我慢する紗綾がいた。


幻覚を見たと思った、けど手を伸ばすして触れると、やっぱり現実だと思った。




「なんで・・・ここにいるのかしら?」



冷たくて高めの紗綾の声が、あたりに響いた。





< 257 / 298 >

この作品をシェア

pagetop