流星×零姫―黒龍の寵愛姫―
でも、紗綾に会えない方が苦しんだよ。
なんで、俺たちのもとから去ったんだよ。
教えてくれよ、紗綾。
ブンッ
パイプが再び、風を切る音が聞こえた。
もう無理だ。
俺は、目を瞑った。
・・・・・・あれ?痛みがない。
もう、衝撃が来てもおかしくないはずなのに。
「お前・・・!!」
目を開けてみたら、痛みを我慢する紗綾がいた。
幻覚を見たと思った、けど手を伸ばすして触れると、やっぱり現実だと思った。
「なんで・・・ここにいるのかしら?」
冷たくて高めの紗綾の声が、あたりに響いた。