流星×零姫―黒龍の寵愛姫―
両親は、私が断るとも考えていないので、その場をさろうとした。
もう、我が儘のひとつくらい言っていいよね。
幼い頃から、我慢してきたから。
「私は、その話を受けれません。」
「なんでだ?」
「好きでもない人と婚約だなんて。」
私は両親の悲しむ表情が目に入った。
2人とも、悲しそうに俯く。
私がこんなんにしてると思ったら、胸が張り裂けそうなくらい痛い。
「ごめんなさい。」
私は椅子に置いていた、カーデガンを羽織って、部屋を出た。
後ろから父の名前を呼ぶ声と、足音が聞こえる。