流星×零姫―黒龍の寵愛姫―






「紗綾ちゃん・・・いい名前だね。

紗綾ちゃんは、なんで姫って呼ばれるの嫌なの?」




「モノみたいでしょ。

それに、姫ってお人形なのよ。」




姫はお人形なの。


ただ、愛想笑いを浮かべみんなの前に立つだけの。


昔の私はお人形。


姫と呼ばれた私は、お人形だったから。




「姫は、汚いのよ。」



私は、自嘲的な笑みを浮かべた。


姫だった私は、汚かった。


何も自己主張をしなかった姫は、人を傷つけ、人を汚した。




―――姫は最低のモノなのよ。




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