流星×零姫―黒龍の寵愛姫―
辺りを見渡した。
翔と目があった。
すると、翔は少し悲しそうな瞳をして話しだした。
「俺、ここが大事なんだ。」
「そう。」
「前、違う族に入ってって・・・
裏切られたことがあってよ・・・。」
「裏切りとか、敏感なんだ。
だから、軽い気持ちのお前が許せなくて。」
なら、仕方がないわ。
私も姫とか言われたり、モノ扱いされるのが嫌だもの。
形は違えど、翔にとって《裏切り》が私にとって《モノ扱い》がトラウマなのは、昔嫌なことがあったからでしょう。
嫌なことがあって敏感なのは一緒だものね。