ちっぽけな距離
side 京

「ただいま」
「あっ、おかえり京。わー、梓ちゃん超久しぶり‼︎めっちゃ可愛くなってんじゃん‼︎」

姉貴…。

「いえ、そんな…。京君のお姉ちゃんほどないです」

そゆこと言うか普通。

「じゃあ、早速行こうかっ」
「はいっ」

元気よく返事をしたあず。

「では、しゅっぱーつ‼︎」
「いえーい‼︎」

姉貴達…テンション高…。

「ほらっ‼︎京も‼︎」

車に乗ったら早々そんなことを言ってきた姉貴。

「は⁇なにが」
「ほらっ、しゅっぱーつ」
「…やるか」
「もーっ‼︎面白くない‼︎」

いや、普通やんねーから。

隣ではクスクス笑うあずがいる。

そういやあず…なんか最近変わったような…。

ま、気のせいか⁇

「てか姉貴」
「ん⁇」
「ん、て…事故ったら許さねえからな」
「お任せあれ。てか梓ちゃん乗ってるし超安全運転じゃないとね」
「俺は良いのかよ」

姉貴は最近やっと免許が取れた。

「あず⁇」

窓の外を眺めてるあずに俺が声を掛ける。

「あっ、ううん⁇」
「どうかした⁇気分悪い⁇」
「えっ、うんうん‼︎なーんでもないよっ」
「そう、なら良いけど…」

車の中では相変わらずテンションが高くうるさい姉貴だった。

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