ちっぽけな距離
side 京

「でさぁ…って、聞いてる⁇」

高校1年の冬。
段々と冬が本格的になってきた。

「京⁇」
「あ、うん」
「大丈夫か⁇顔が死んでるけど」
「はっ、意味わかんねーし」

そう言って俺は陽に向かって笑う。

「ばっ、やめろよ」
「…あ⁇」

なんだ急に…。

しかも…

「陽…顔赤くね⁇」
「うっ、せ‼︎」
「な、いきなりなんだよ」

陽は口元を抑える。

すると春樹が

「こいつ、惚れたな⁇今」

と、陽にからかいながら言う。

惚れた⁇

なんの話だよマジで。

「春樹は黙ってろっ」

陽はそう言う。

「あのさ、さっきから何」

俺は二人に聞く。

「お前が…京がかっこよすぎなんだよ‼︎」
「…は⁇」

陽…こいつ頭可笑しんじゃねーの⁇

「無自覚王子め。マジ腹立つ」

と、陽が付け加えて言う。

「何王子って。俺なにかした⁇」

腹立たせるようなこと。

すると

「「いつもしてるわ‼︎」」

って、陽と春樹が声を揃えて言った。

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