ちっぽけな距離
side 梓

放課後…。

なんだけどー…。

いない、し。

京君はなぜか教室にいなかった。

仲の良い山崎君や野崎君に聞いてみようと思ったけど、どうやらいないみたいで。

三人ともどっかに行ったのかな。

まぁでも、京君の鞄はちゃんと机の上にあるし戻ってくるよね。

そう思い私は教室で待機することにした。

ていうか早く帰って来てよねー‼︎

鍵閉めは最後の人なんだから。

「じゃあね梓」
「あっ、うん。バイバイ」

梨花ちゃんにバイバイする。

「あれ、帰らねーの⁇」
「うん、まだ…」

霜月君。

「あぁ。北見待ち⁇」
「そーそー」
「どこ行ったんだろ北見」
「トイレかな⁇」

でもトイレにわざわざ3人も行かないか。

「北見来るまで、待っててやろーか⁇」
「えぇ‼︎⁇いいよ、そんな…」

悪いよ。

「遠慮すんなって。梓っちも暇だろ⁇」
「まあ…」

暇、だね。

「にしても教室寒いな」
「そうだね」
「梓っちはクリスマス、どう過ごす予定⁇」
「クリスマス⁇」
「うん。もうすぐクリスマスじゃん」

そっか。

クリスマス…。

もう12月に入ったもんね。

「今のところ、クリスマスイブは梨花ちゃんと過ごす予定だよ⁇」
「そっか。んじゃあクリスマスの日さ空いてんだったら皆でカラオケでも行かね⁇」
「カラオケかぁー。最近行かないな」
「ほら、北見とかも誘ってさ」

と、霜月君は笑いながら言う。

「私は良いけど…多分京君は行かないよ⁇」

カラオケとか興味なさそうだもん。

「いや、分かんねーよ⁇梓っちが行くって知ったら」
「え⁇」
「まぁとにかく。俺は北見グループを誘うから。梓っちは女子誘ってよ」
「うん、いいよ」
「よーし、決定な‼︎」
「うんっ」

なんだか今年のクリスマスは盛り上がりそうだ。
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