ちっぽけな距離

side 梓

「おいどこ行く…」

ほらやっぱりそうじゃん。

「もういい」
「なにがだよ」

私はその場から離れる。

「ごめん、霜月君。ほっといて…」

京君やっぱり、桜さんの事が好きなんだ。

だったら最初からそう言ってよ。

「なんだよ、どうしたんだよ」

霜月君は私の腕を掴む。

「ちょっ…離して…」
「いきなりなんだよ。理由を言え理由を」

…っ…。

「理由なんか…」
「ん⁇」
「…理由なんかないよ‼︎」

それだけ言って私は走った。