リストカットシアター
「でもどうして?どうして私なんかを?」

「わからない。でもあまり外には行かない方がいいね。明日から三連休だし」

「そうだね。ごめんね。急に呼びたしたりして」

「ううん。親友だもん。遠慮なく頼って」

「ありがとう亜由美」

亜由美は帰っていった。

私は少し安心したのか

お腹が空いてきた。

お母さんは洗い物をし終わったみたいで

リビングのソファで座ってTVを観ていた。

「あら、誰だったの?」

「亜由美だよ」

「なんで?」

「ちょっと、相談事を…」

「悩みでもあるの?」

「まぁ…」

「お母さんも相談にのるわよ」

「うーん…」

私は今日送られたメールの事を

全て話した。

そして犯人は身近な人かもしれないと。

「ちゃんと言えたわね。偉いわ。これから戸締りをしっかりしてアドレスも変えるのよ」

「わかった。警察には?」

「もちろん連絡するわ。それはそうとご飯食べに来たんでしょ。おかず温めるわね」
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