リストカットシアター
目が覚めると映画館にいて座っていた。

周りをみても誰も座っていなかった。

ドアが開く音がして

スクリーンの前に立つ女性。

どこかで見覚えがある。

「ようこそ。リストカットシアターへ。私ここの支配人、真理亜(まりあ)と申します」

「あの私は死んだんですか?」

「いいえ。まだです。地獄へ行くか天国へ行くかはあなたの決断しだいですので了承しておいてください。では早速、あなたが死んだらどうなるか観てもらいましょう」

お葬式の風景が流れた。

遺影には私の顔があった。

男の人が声をあげながら泣いていた。

お父さんだった。

お母さんはお父さんと一緒に泣いていた。
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