リストカットシアター
「ご覧に頂けましたか?では、黒い液体が入ったコップに生きるか生きたくないかを言ってください」

私は…私は…。

「生きたい…!」

するとコップの中の黒い液体が水に変わった。

「ではその水を飲んで下さい」

私は水を飲むと意識が遠のいていった。

最後に聞いたのは真里亜の声だった。

「それでは一生懸命生きて下さい」

目が覚めると誰かが私の声を呼んでいた。

「…お…まお…真央!」

視界がはっきりすると誰だかわかった。

お父さんだ。

「よかった…。死んでいたのかと…」

「お父さん…なんでこんな時間にいるの?」

「忘れ物したからとりにきてお前の靴があるのに部屋にいないし、探したらここで倒れててお父さん、びっくりしたよ」

「お父さん…ごめんなさい…」

「お前がなぜ謝る。謝るのはこっちだ。
お前を辛くさせてごめんな」

私は久しぶりに親の胸で泣いた。

手首をみると傷ができていた。

傷で『Live』とメッセージが書かれてあった。
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