アルマクと幻夜の月
第二夜 砂漠の街の小さな嵐
1
*第二夜 砂漠の街の小さな嵐 1*
安宿の床に荷を下ろすと、アスラはそのまま寝台に倒れこんだ。
砂漠を歩き通したために足が痛い。
途中まではイフリートの変化した馬に乗っていたのだが、変化し続けると魔力が減って疲労するようで、
アスラが途中からそれに気づいて馬から下りたのだ。
そこからは一日中、食事で休憩を取る以外はずっと歩き続けていたのだ。
「あー……疲れた……」
ぐったりとして枕に顔をうずめるアスラの、投げ出された足をイフリートが軽く蹴った。
「汚い服で寝台に上がるな。砂まみれになる」
「うるさいなぁ。宿に入る前に砂は落としたじゃないか」
「パタパタ手で叩いただけで全部落ちるか阿呆。今夜その寝台で寝るのはおまえだけじゃないんだぞ」
安宿の床に荷を下ろすと、アスラはそのまま寝台に倒れこんだ。
砂漠を歩き通したために足が痛い。
途中まではイフリートの変化した馬に乗っていたのだが、変化し続けると魔力が減って疲労するようで、
アスラが途中からそれに気づいて馬から下りたのだ。
そこからは一日中、食事で休憩を取る以外はずっと歩き続けていたのだ。
「あー……疲れた……」
ぐったりとして枕に顔をうずめるアスラの、投げ出された足をイフリートが軽く蹴った。
「汚い服で寝台に上がるな。砂まみれになる」
「うるさいなぁ。宿に入る前に砂は落としたじゃないか」
「パタパタ手で叩いただけで全部落ちるか阿呆。今夜その寝台で寝るのはおまえだけじゃないんだぞ」