アルマクと幻夜の月
「悪い奴じゃないってのは絶対だ。俺がこの目で見てそう思った。だから、あんたらが何もんだとか、そういうことは、あんたらが話したいときに話せばいいって、思うんだ」
でも、まさかランプの魔人だったとはなぁ、と、隣で呑気に言うシンヤを、アスラは半ば唖然としたように見つめていた。
そんな気持ちでついて来ていたのか、と今さらながら思う。
知り合って間もない、何も知らないアスラとイフリートに、シンヤ自身の見た人柄だけを判断材料に、絶対的な信頼を置いてくれている。
(シンヤが見ているのは、あたし自身、イフリート自身なんだ)
アスラは何者か、イフリートが何者か、ではなく、シンヤの目の前にいるアスラとイフリート自身を信頼して、シンヤは行動を共にしている。