+Resolution+



鴉が一羽、黒天に舞う



















正面にいた標的はがくりと力なく両膝を付き、まるで糸の切れた操り人形みたく倒れこんだ






脳を撃ったから、多分即死。



「お望み通り殺してやったよ」


なんの感情も抱かずに人を殺せるほどの人間に殺されたんだ
良かったじゃあないか。



ずるいとか思わないでよ。こうでもしない限り、こんな世の中生き残れないんだからさ



戦いなんてそんなもんだ

戦いなんか、そんなもんだ





勝たないと生き残れない。



悪いけど、僕はまだ生きたいからね。死にたいって望んでる奴にわざわざ情なんて掛けないよ



そう思いながらも、それよりとにかく、今はこの悪臭漂う地獄画のような景色から即座に立ち去りたい



「帰ろ」





名も知らぬ人の死体を達成感を胸に軽快なステップで避け、僕は早々と本部へ足を進めた。













人の情を忘れてしまったかのように、無表情で罪悪感も何一つ抱かず。












END
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