+Resolution+

で、も

大切にしていた物が、ぱりんとも音を立てず
呆気なく壊れてしまった。



凄く大切にしていたものだった

いつでも身に付けて、何処に行くにもぎゅっとしっかり握り締めて。きっとそれを手放したことの方が少なかったぐらいだ。







そんなに大切なものが、壊れた。




















壊れてやっと気付く



それがどのくらい必要ないものだったのか、と

それなのに、何故こんなにもきつくきつく胸が痛むのだろうか、と






答えは以外にも直ぐ頭に浮かんだ

普通に考えれば別に要らないと分かる。だけれども自分は勝手に必要なものだと決め付けてしまっていた

だから、そう思えてしまっていた














あんなもの、今更どうでもいい。


壊したって言っても、ただ単に無くなってしまっただけで















けれ、ど

それに気付くのが遅すぎた




今の自分は、それがないとならない。自分はそれを持っていないといけない。

それがないと悲しい
それがないと哀しい
それがないと苦しい
それがないと生きれない
それがない、と、ないと
それが、息が、い、たい、苦し

ああ苦しい、いた

あああ
ああアアア
唖嗚呼ああああアアア嗚呼

憙アアアアアアアアアア!!!!



自分で作り上げた理想の自分が、嘆いている。




あれがないと!



無意味な感情に胸が締まる








完全に依存してしまった心。





どうして

あんなものあんなものなどに
価値も意味も…何一つ良いと言えないあんなものだというのに



求めてしまう。心の奥深くから。




















今更、遅い。







大切にしていた物は、ぱりんとも音を立てずに



呆気なく壊れてしまったのだから









END

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