先生が好き
ブランコに乗って…
ゆらゆらと揺れていたら
携帯がなった。
サブディスプレイには
先生…
の文字。
「はい…」
〈亜果梨!!お前どこにいるんだ?〉
先生…
あたしの事…
探してる…
〈おい!亜果梨?〉
「先生の家行ってもいい…?」
居場所のないあたしは
どこでもいいから…
行きたくて。
誰でもいいから…
話し相手が欲しかった。
手紙を母に渡した男性は
あたしの本当の父のお兄さんで…
あたしを葬式に呼ぼうとしていたらしい。
一度もまともに話したことないのに…。
さようならがいいたかった。
誰かにこの気持ちを聞いてもらいたかった。
〈亜果梨…お母さんが今、必死にお前を探してる。〉
お母さんじゃない…
「あの人はあたしの…お母さんじゃない…お姉ちゃんや隆ちゃんの…」
〈違う!お前はあそこの家の子だよ!〉
違うよ…
だって…お母さんどこにいるかわからないし…
血が繋がってたって…
あの人の姪だよ…。