先生が好き
翌日、あたしはちぃに話を聞こうと思い、いつもの場所のベンチに呼んだ。
「亜果梨、話って?」
「ねぇ…ちぃ…何かあったんでしょ?」
「へっ!?…なっ何もないよ…。」
ちぃの顔は少しひきつっていた。
少し涙目にも見えた。
「千郷!ちゃんと言ってよねっ?ちぃ? 」
そう言った途端ちぃは泣き出した。おえつ混じりで…泣きじゃくった。
「ぅぅ…っ…ゲホッ…ぅぅ…亜果梨ぃ…」
10分ぐらい泣いて、落ち着いたみたいでちぃは、話はじめた。
「亜果梨、あのね…龍樹ね新しい彼女もう出来たんだって。その子と龍樹が歩いてて、あたしに気づいて…歩いてきて…彼女をあたしに紹介してきた…彼女があたしに…『龍樹って、激しいのね!あなた体験した?』とか嫌味ばかり…龍樹の事忘れかけてたのに…」
ちぃ…ごめんね。
気付いてあげられなくて。
「ちぃ…辛かったね…ごめんね…本当にごめんね…」
「何で、亜果梨が謝るの?
「だって…」
「亜果梨、ありがとう。
すっきりしたよ。」
さっきまで隠れていた夕日が雲から覗き始め…
綺麗なオレンジ色に空が染まり…
あたしたちの帰り道をオレンジ色で照らした。