先生が好き
心友
あたしは…約束通りに
放課後、いつものベンチに行った。
ベンチには、ちぃの姿が見えた。
ちぃ…ちぃだ。
「ちぃ…」
「亜果梨…目が真っ赤だよぉー」
だって…。
「亜果梨…座りなよ。」
「うん…」
ちぃはあたしの肩に手を回し、抱き寄せた。
「亜果梨…先生の事、仕方ないよ。だって…先生バレたら教師辞めさせられちゃう。それに…亜果梨だって退学だよ、きっと。…亜果梨が学校辞めたらあたし、寂しいし…。亜果梨は今辛いかもしれない…寂しくて、忘れられないかもしれない…だけど…あたしがいる。いつだって、そばにいる。辛くなったらあたしが抱いてあげるから。」
ちぃ…いつもあたしは助けられてばっかだね。
ちぃだって…今苦しい時なのに…ごめんね…。
「ありがとう…千郷。」
今日の夕日は、凄く目にしみるぐらい…
濃いオレンジ色で…
あたしの腫れた目には…
痛いぐらいだった。
自然と涙が出てきた。