先輩、こっちを向いてください
「まぁまぁ、じゃあ頼んだぞー」
そんな・・・・
「行くしかないか…」
せめて、女の先輩がいいな…
さっさと終わらせて姿をくらまそう。
うん、そうしよう。
着いちゃった…。
深呼吸して。
「失礼しまーす…」
ガラッ
あれ?誰もいないのかな。
なんだ!いないんだ!ちょっとラッキー♪
「あ、二年の子?」
喜んだのもつかの間、本の棚の間から誰か出てきた。
「あ、はい。そうでーー…っ!!!!」
光の反射でよく見えなかったけど、先輩だ。
雄大先輩だ。
先輩のほうもなぜか目を見開いていた。
だけど、すぐに笑顔になって
「俺、木下雄大。よろしくな」
と手を出してきた。
どうしよう・・・・。
先輩が今、目の前で私に手を差し伸べている。。。