先輩、こっちを向いてください
昨日までとは考えられなかった。
先輩と同じ空間で一緒に話して笑いあえるなんて。
先輩のこと…さらに好きになっちゃいましたよ…。
「はーぁ。笑った。そろそろ帰るか~」
「そ・・そうですね」
今日帰ったら、また前みたいに遠くからしか見ることができない。
昨日まではそれでいいって思えた。
けど、だけど…!今は、もっと先輩を知りたい。
先輩の中に私をもっと大きい存在にしたい。
「あのさ」「あのっ!」
二人一緒に話し出してかぶってしまった。
「ははっ。いいよ、先」
「あ、すみません…。あの!また、話しかけてもいいですか…?」
なんて答えてくれるかな、先輩。
ずうずうしくてすみません。
でも、それぐらい好きなんです。
でも、先輩はその質問には答えず、言った。
「あのさ、アドレス…交換しない?」
「・・・・え?」