大切なもの
・・・けれど
あたしには必要なんてなかった。


いくら頑張っても
いくら成績が良くても
推薦を貰えても


あんたなんて、見たくないわ。
話しかけないで。


と払いのけられるから。


一番、欲しいものが手に入らないから。
母親からの無償の愛が欲しかった。


・・・ただそれだけ・・・。


けれど、父親は
よく頭をヨシヨシしてくれて
泣きたくなった時は車でドライブに連れて行ってくれた。
「俺にとっての宝物はお前たちだけだよ」
・・・・と。


その一言だけで
私は救われて頑張ってこれたのだ。


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