狙われし姫巫女と半妖の守護者
半妖
*・*・*・*・*
強く瞼を閉じ身構えた。
結局私はなんにも守れなくて、あなたに最後まで守られて……。
この人の名前も知らぬまま……。
私まだ、この世界でなにもできてないのに死ぬんだ。
いろんな思いが高速で駆け巡る。
熱い涙が流れだす。
私の人生短かったよ。
短すぎだよ。
目を閉じて終わりを待っていた。
でも、もう落ちてくる距離だったのに、なにも痛くならない。
「すまない! 間にあったな」
烏天狗ではない、聞き覚えのある声が飛んでくる。
私は目を激しく瞬いた。
時間が止まってる!?
私、夢見てる!?
鉄骨が宙に浮いて止まっている。